「あれ‥?なんかお腹いたい‥」
「やばい、急になんか吐きそう‥」
一人暮らしで急に症状が出だすと、焦ってしまう人も少なくないと思います。
1回のトイレで腹痛や下痢がおさまるものではなかった場合、「何か食べたっけ‥??」と思い返してみてください。
何かの病気にかかっているかもしれないし、
食中毒の可能性だってあるのです。
この記事では、一般的にどんなことで食中毒につながることが多いのか詳しくお伝えしています。
一人暮らしが食べ物に注意するべきことや、万が一の時は救急車の適正利用を考える方法もお話ししていますよ。
食事が面倒な人ほど、食中毒や栄養失調など体調をこわしがちなんです。
参考記事>>一人暮らしのご飯がめんどくさい時のよりヘルシーな対処法
よくある食中毒の原因、症状、特徴
食中毒には大きく4種類あります
- 細菌による食中毒
- ウィルスによる食中毒
- 自然毒による食中毒
- 化学物質による食中毒
細菌による食中毒
原因が判明している食中毒のうち30%も占めているのが細菌性食中毒です。
「何か悪いもの食べたっけ‥?」とその日の食事を思い返す参考にしてもらうために、食品別に細菌性食中毒を見ていきたいと思います。思い当たる項目を見つけて読んでみてくださいね。
生たまご
よく加熱されなかった鶏卵を食べることでサルモネラ菌による食中毒にかかるケースがよくあります。
サルモネラ菌は鶏・豚・牛などの腸管に存在していることから、菌に汚染された鶏肉、卵を食べることで食中毒を発症することがあるのです。
サルモネラ菌は熱に弱いので、加熱の足らなかった肉や卵は要注意ですね。
【サルモネラ菌の症状例】
食べてから12時間〜48時間後に発症。下痢・腹痛・嘔吐、発熱は38〜40℃が多い
生鮮魚介類
刺身、寿司、魚介加工品などの生鮮魚介類を食べることで、腸炎ビブリオという菌による食中毒があります。3%ほどの塩水ではよく増殖する一方で、真水や酸にはとても弱いので鮮魚を水でよく洗うことは大切だと言えますよ。
【腸炎ビブリオの症状例】
12時間前後の潜伏期間後、激しい上腹部の痛み、下痢、嘔吐、発熱、悪寒
加熱不足の肉・水
日本国内で上位を占めている食中毒の原因菌の一つでカンピロバクターがあります。最も多い食品例は「鶏刺し」です。新鮮であっても安全とは限らないのです。カンピロバクターは鶏・豚・牛など家畜の消化管内で生息していますが65℃で数分間の加熱で死滅します。カンピロバクターは、少量でも食べてしまうと腸炎を起こします。
【カンピロバクターの症状例】
下痢、腹痛、発熱、血便
また、牛肉や生レバーなどの加熱不足で沖津食中毒に、大腸出血性大腸菌(O157)によるものもあります。元々は哺乳動物や鳥類の腸管に生息している菌なのですが牛の腸や糞便に多く、人の糞便中にも時々見つかっているようです。
消毒が不十分な井戸水から感染した例もあるそうです。(参考:内閣府食品安全委員会「腸管出血性大腸菌」)
【大腸出血性大腸菌の症状例】
食べてから1日〜14日で発症(3〜4日が多い)。下痢、腹痛、血便、風邪症状から激しい腹痛に変化することも。
傷のある手で触った食べ物
人の手指にある傷やあかぎれ、また鼻や喉の粘膜にも広く存在する黄色ブドウ球菌があります。切り傷を化膿させる菌です。この菌が食品に付着してしまうことが原因で起こる食中毒です。
【黄色ブドウ球菌の症状例】
腹痛、下痢、激しい嘔吐
缶詰など真空パック食品
酸素があるところでは繁殖しない、真空を好むボツリヌス菌による食中毒があります。缶詰や瓶詰め、真空パックの食品などが原因の食費となります。このような食品も可能な限り十分な加熱が大切です。また菌自体は土壌や河川や海岸などに広く分布していて、毒性は強いのですが比較的潜伏期間が長いようです。
【ボツリヌス菌の症状例】
頭痛、手足の痛み、嘔吐、下痢。呼吸障害を起こした場合は死に至ることも。
カレー・スープ類、給食
ウェルシュ菌は人や動物の腸管に存在するほか、土壌などに存在しています。食肉・魚介・野菜などを、食べる日の前日に大量に調理され、大きな容器のまま常温で保存していた食品が原因となることが多く、カレーやシチューなどの煮込み料理によくみられる。学校などの給食などで起きる食中毒として多いです。
暮らしの中では調理したカレーなどを室温で冷ましている場合、55℃くらいから急速に菌が増殖することがわかっているそうです。
【ウェルシュ菌の症状例】
6〜18時間の潜伏で腹痛と下痢が発症する。比較的軽症で、発熱や嘔吐もないことが多い。
チャーハンやオムライスなど
残ったご飯を再利用するメニューに多いのが特徴で、ホコリや土壌、水中などに存在するセレウス菌が原因の食中毒があります。
【セレウス菌の症状例】
嘔吐、腹痛
ウィルス性食中毒
ノロウィルスの食中毒を聞いたことがあるという人も少なくないと思います。
「生カキ」その他「ホタテ」や「アサリ」などの二枚貝の加熱不足によって起きやすいです。
ノロウィルスは冬に多いですが
食べ物に心当たりがなくても、胃腸炎として人から人へ感染するので予防が大切です。冬だけでなく1年を通して確認されている感染症胃腸炎です。(参考:厚生労働省ノロウィルスに関するQ&A)
【症状例】
食中毒発熱・頭痛・嘔吐・下痢などのしんどい風邪のような症状
自然毒による食中毒(カビも含まれる)
動物性の自然毒では、ふぐ毒や貝毒。
植物性だと、キノコ、じゃがいもの芽、青梅、スイセンの葉などに含まれる毒が身近な自然毒食中毒です。
キノコ
【症状例】
キノコは食べてから20〜30分後から数時間の間に嘔吐や下痢などが起きることが多い。ケイレンや発汗などの神経系の症状もある。肝臓や腎臓に障害を与えて死に至る場合もある。急性脳症の破症例もある。
自分で採取したキノコ、知人からもらったキノコなど、その姿が安全そうでも危険な場合があるので食べない方がいいです。自分で採取した場合も人に譲らないようにしましょう。
じゃがいもの芽
じゃがいもの芽が良くないと知らずに食べてしまうことのないように、一人暮らしで自炊する人は気をつけましょう。
とくに、未熟な小さいじゃがいもに発育している芽は要注意です
【症状例】
食後20〜30分から半日で発症。嘔吐・下痢・めまい・腹痛・動悸・耳鳴り・呼吸困難など
スイセンの葉
スイセンの葉はニラと似ていることで間違えて食べてしまうれ例があります。スーパーで売っているニラにスイセンが混じっていることは考えにくいですが、「家庭菜園で採れたからあげる」等、親切心で人からもらう場合など注意が必要です。
【症状例】
嘔吐・下痢
フグ
フグは資格者がきちんと調理したものを食べていれば大丈夫なのですが、自分で釣れたフグを調理して食べてしまった時に食中毒に見舞われるケースが多いようです。フグは種類によって食べても良い部位が異なるし、加熱や水洗いで無毒化できるものではないので、前に自分で捌いて食べたから今回も大丈夫という思い込みなどはかなり危険と言えます。
【症状例】
食後20分〜3時間までに口まわり、指先の痺れが起きる。頭痛、腹痛、激しい嘔吐、知覚麻痺、言語障害など段階を踏んで神経系にも発症。食べてから死亡までの時間は4〜6時間。(参考:東京都福祉保健局食品衛生の窓)
かび毒
かび毒は300種類以上あり、健康被害も多用です。
【症状例】
嘔吐・下痢・肝臓障害・腎臓障害・発がん性・消化管の出血、潰瘍
熱に強く、目に見えるかびを取り除いても、まだカビ毒が残っている可能性もあるので怪しいものは食べたないことですね。
化学物質による食中毒
ヒ素や水銀なども化学物質による食中毒では聞いたことがあるかもしれませんが、近年ではヒスタミンによる食中毒がみられます。
ヒスタミン食中毒はヒスタミンが高濃度に蓄積された食品、特に魚類及びその加工品を食べることにより発症するアレルギー様の食中毒です。
引用元:厚生労働省ヒスタミンによる食中毒
厚生労働省では、マグロ、さば、サンマ、アジ、イワシ、カジキ、カツオ、ぶりやその加工品が主な原因食品だとしています
【症状例】
顔の紅潮、頭痛、蕁麻疹、発熱。
比較的重症にはなりにくい。
食べた時すぐに、唇や舌先に何か刺激を感じる場合はヒスタミンが高濃度に含まれている可能性があるため気がついたらすぐに食べないようにしましょう。
食中毒を避けるために一人暮らしが注意するべきこと
手指の菌を食べ物につけない
手指についたウィルスを口に入れてしまったり、経口感染するノロウィルスなどは家族にうつしたりしやすいです。ただ一人暮らしだからといって全然油断はできません。外出先から帰ったら手洗いうがいがまず大切な予防対策だと言えます。
自炊した後の残り物は小分けにして冷蔵庫か冷凍庫へ
常温保存は菌を増やしてしまうので避けましょう。面倒でも、小分けにして、冷蔵庫内で他のもについてしまわないようにサランラップやふたをきちんとしておくことが大切です。
肉・魚・野菜を切った調理道具は洗ってから使う
まな板や包丁についた菌を別の食材につけてしまう二次感染も多いようです。面倒でも洗浄しながら調理道具を使うことも食中毒の予防には大切です。
特売品を買いたくても鮮度の落ちた魚は買わないで
時間帯によってはスーパーで嬉しい半額シールが貼ってある時がありますよね。しっかり加熱できるものは割と安心して食べることができますが、生鮮ものには注意が必要です。例えば魚の場合、魚が死んだ瞬間から食べるまでの間の温度管理ができない場合ヒスタミンの生成につながってしまいます。
お惣菜についても、できる限り火を通してから食べると安心です。
自分で(知人が)採った野菜、釣った魚は要注意
釣った魚は食べるまでの温度管理がとても大切ですが一度ヒスタミンが生成されると熱でも除去できないので食中毒予防のため注意が必要です。野菜では、キノコやニラなど毒性のある植物には気をつける必要があります
後で食べようと冷蔵保存した食品などはしっかり加熱して
菌が発生してしまっていても、熱で死滅させることができる場合がほとんどです。中までしっかりと火を通してから食べるようにしましょう。ただし、お昼に食べかけたお弁当を夜にまた食べるなどという食べかけ保存はカビを発生させやすい原因にもなるので保存はおすすめできません。
家には自分1人…。
もし食中毒を疑う症状なら救急車も必要!

「救急車呼びたい…でも、大したことないかもしれないし本当に呼んでもいいのかな…」
だいぶ一人でキツイ状態なのに、こんなふうに考えてしまう一人暮らしさんも少なくないはずです。

サイレンが近所に響くことにも抵抗を感じてしまうよね。
119番をためらう場合、♯7119に頼ってください。
♯7119は、総務省消防庁の救急安心センター事業によるもので、電話をかけると医師、看護師、相談員が、救急車をすぐに呼んだ方がいいのか、急いで受診した方がいいのか、自宅で様子を見ておくべきか、判断してくれます。
実際に利用した人の9割もの人が「♯7119が役に立った」と感じていることから、救急車を迷うあなたにとって利用しない手は無いと言えます。
ただ、地域の自治体によって♯7119を実施していないところもあるのでそんな場合は手遅れになる前に救急車を呼んでください。

忙しい一人暮らしさんが自分のご飯のことを、何も考えずに食べられることって食中毒から守る意味でも大切です。
自炊しないといけない決まりなどないです。
だからって、年中、何食べててもいいわけでもないですよね。
あんまり頑張りすぎずに、期間限定でもいいから安全に楽に食事ができる方法も見つけてみてくださいね

体を壊したら元も子もないよ^^
頑張りすぎないでね。